BATON TOUCHは「もう一つの手に何を持たせるか」を勝負所にしている。それはあなたにとってクズかもしれないし、ゴールドかもしれない──

「音楽なんてものは、ある人にはクズ、ある人にはゴールド。それでいいんだ」

ーエドワード・ヴァン・ヘイレン
音楽が主たるテーマとなったBATON TOUCH vol.2

 音楽が主たるテーマとなったBATON TOUCH vol.2は、二つの会場を連動させて行われた。Café TURQUOISEとLive House TURNING。

 入り口となるTURQUOISEで待ち構えたのは、一つ一つの線を繊細に操る画家YabeRayによるライブペイントだった。 

片手にビアー。もう片方の手で自分が何を掴むのか

 壁一面に広がっていく描線を横目にバーカウンターでドリンクをオーダーする。 片手にビアー。もう片方の手で自分が何を掴むのか、来場者たち自身も楽しみにしているようだった。  

 ドリンクを持ったら、そのままTURQUOISEで腹ごしらえするのもいい。 料理長ジャクソンが出す料理、ハズさないBGM、グッドバイブスなスタッフ達。家より心地の良い空間がごく自然に生まれていた。  

別会場のTURNINGをライブストリーム

 すっかりチルして場のグルーヴに身を委ねていると、別会場のTURNINGをライブストリームしている大きなスクリーンが目に入る。 

トロンボーンの音色でガツンと体の芯を殴られる。

 トロンボーンの音色でガツンと体の芯を殴られる。犯人はニューオーリンズジャズの狂信的な信者、西村崇史率いるブラスバンドだ。

 急いでTURNINGのドアを開けるとそこには先ほどとは一転、涙が出るような歌声がギターリフとともに響き渡る。シンガーソングライターの松室政哉だ。

 スウィートボイスがライブハウスを包み込んだ後は、ステージ上にガチッとバンドセットが組まれていく。生バンドの音にこだわるJowの登場。先程とはまた一転、バンドのストイックな演奏とスモーキーなJowの歌声が会場に充満していく。  

DJ×フルートというスーパーオリジナルな旋律

 JowのShowが終わるとバンドセットが片付けられ、DJセットが姿を表した。現れたのは、フルートを手に持った山口睦美嬢。DJ×フルートというスーパーオリジナルな旋律は、現場で体感する以外に理解する方法はないだろう。 

ジャズとは何か。ビギナーにも分かりやすく、かつ凄さが伝わるようなダイナミズムでライブを構築。

 ヘッドライナーはジャズトリオ、ai kuwabara trio projet。見なきゃ損とは彼らのことだ。いまやシーンではポスト上原ひろみとも言われる桑原あいが、鍵盤を叩きだす。

 ベーシストの森田悠介がそれに合わせて弦を弾く。やおらドラムも加わり、重層的な音楽が姿を表す。桑原あいが会場の一体感を煽る。

 ジャズとは何か。ビギナーにも分かりやすく、かつ凄さが伝わるようなダイナミズムでライブを構築。観客たちは”金の鉱脈”を確かに瞳に映していたようだ。 

BATON TOUCHは「もう一つの手に何を持たせるか」を勝負所にしている。

 BATON TOUCHは「もう一つの手に何を持たせるか」を勝負所にしている。それはあなたにとってクズかもしれないし、ゴールドかもしれない。

 時間が経てば、クズだったものがゴールドになるかもしれないし、その逆もあり得る。ただ、刹那でもゴールドだった経験はきっと一生忘れないだろうし、クズがゴールドになるきっかけだけでも、その後の日常生活に持って帰ってもらえればいいと思う。

 誰かのクズを金に変えるために、BATON TOUCHはこれからもイベントを組み、フリーペーパーで物語を紡いでいく。