結局やっぱり現場ということだ。このエネルギーを「後で教えて~」なんて言われても到底言葉にできない──
各々が淡々とその日の自分の世界を創り上げていく。

 Mediassの初イベントBATON TOUCH #1はJPEGのRywによるDJイングから始まった。その横ではバイプレイヤーZiMAが「ウン百万だぜ」という機材のセッティングなどVJの下ごしらえ。

 その向かいでは画家AYUMIがキャンバスを壁に張る。各々が淡々とその日の自分の世界を創り上げていく。

必然人が繋がっていき、垣根が融解していく。

 Rywから、今回のプレイヤー達をキュレートしたジュンタに音が繋がる頃にはパラパラと人が集まり出した。

 百戦錬磨DJのMASAMI I AMが、自身主催のイベント「VITEME」のセットリストを引っさげて安定感あるキラキラエレクトロをドロップする頃になると、池袋A.P.T.Loungeにはもはや活気しかなかった。

 処女イベントなこともあってその空間のほとんどは友達か、ダチのダチか、そのダチかくらいのコミュニティ。必然人が繋がっていき、垣根が融解していく。

Mediassが創り出したいのはこの空間の拡張だ。

「何か向こうでキャップ売ってたぜ」とバー付近で聞こえた。

 肩を揺らしながらJPEGメイドの帽子やシャツ、手ぬぐいを眺めてる人もいる。AYUMIの絵にはどんどん筆が入っていく。

 そのパフォーマンスをカメラで捉え、それを「生の素材」にZiMAがその場で映像をスライドに映し出していく。

 それは絵でもないし映像作品でもない。言葉でのカテゴライズなんて無意味。愛すべき馬鹿どもがスピリタスでコンコンやりだしている。

 AYUMIの画家仲間、YabeRayも飛び入りでライブペイントし始めている。ビートに乗りながら色彩を帯びていく。あんたたち、明らかに楽しそうですね。

 BUDWEISERのダンスが始まる。姉妹の舞は力強くもセクシーに空間に華を咲かせていた。TARAが加わり更に過熱。

 そしてシンガーJOW登場。クラブ使用にリミックスされたオリジナル曲「HEART BEAT」でしっかりロック。

 そこに、A.P.T.のキュートな店員が「あの人何者なんですか」と思わず口走る男、ZiMAがサックスを合わせ始める。渋い音色とソウルフルな声が緩やかに会場を一体にする。

 時間があっという間に過ぎBENZYがスピンを始める。ズビズビとヒップホップ・マナーに則りフロアには重低音が鳴る。23時、closeの時間になっても人が減らない。BENZYにいたっては、フリースタイルラップ始めちゃっている。

 AYUMIとYabeRayの作品には画竜点睛じゃないが、BATON TOUCHという文字が刻まれていた。我々が当日「発刊」したタブロイドを脇に抱え、女の子が完成した絵を眺めていた。

このエネルギーを「後で教えて~」なんて言われても到底言葉にできない。

 結局やっぱり現場ということだ。このエネルギーを「後で教えて~」なんて言われても到底言葉にできない。この夜、池袋の片隅の地下でそれぞれの世界は繋がった。集いはこれからも続く。多分、面白くしかならない。